絶縁油中の微量PCB分析はいであ

PCB濃度が0.5mg/kgを超えた油を含有する電気機器又はOFケーブル(電気機器等)は、PCB廃棄物(特別管理産業廃棄物)となり、適切に処理する必要があります。
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いであの新しい分析法の特長

環境省より「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル」が公表されており、本マニュアルには複数の分析・測定法が採択されていますが、「加熱多層シリカゲルカラム/アルミナカラム/トリプルステージ型ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS/MS)法」、「PCBの一部の化合物濃度から全PCB濃度を計算する方法(13成分計算法)」は、当社が提案した技術が採用されています。微量PCB(低濃度PCB)分析はお任せください。

  • 短い分析時間で正確かつ精度の高いデータ

    他の手法の1/5~1/8のスピードで分析可能で、正確で精度の高いデータを得ることが出来ます。

  • 十分な検出下限値で安全な濃度判定が可能

    検出限界は0.02mg/kg程度で、0.5mg/kgに対して十分低いレベルのため安全な領域での濃度判定が可能。

  • 測定結果の品質管理

    通常の品質管理要件に加え、13成分計算法により、起源である商品PCB名(カネクロール300,400,500, 600)を特定可能です(混在していても判定可能)。PCB組成の確認によってもデータの信頼性確保を行います。

  • 測定可能な油種に制限がない

    JIS C 2320において、電気絶縁油は大きく7種の規格に分類されています。また、これら7種以外で、フタル酸ジ-2-エチルヘキシルの存在が確認されています。本分析法は、これら全ての油種中のPCB分析に対応。

  • 高分解能ガスクロマトグラフ-高分解能質量分析計(HRGC-HRMS)測定

    簡易定量法においてPCBの測定が困難な場合、厚生省告示第192号により再分析を行う必要があります。

技術解説

高速GCカラム(Fast GC)

HRGCは高い分離能力を持つため、PCBの測定では最も優れた分離手 法ですが、通常のGCでPCBを正確に測定しようとする場合、1測定あたり40~50分必要でした。この問題を解決するため、既存とは異なる新しい流体理論の高速GCカラムを、PCB測定専用としてVarian社とともに開発しました。このカラムでは、結果の正確さを犠牲にすることなく測定時間を、約5.5分と大幅に短縮することができます。

MS/MS

MS/MSは、一度質量分離した化合物を再度質量分離し検出する技術であり、それゆえタンデム質量分析計と呼ばれます。質量分離が1段のみの四重極型質量分析計(QMS)に比較して質量分離能が非常に高いため、絶縁油中のPCBのような妨害成分の多く含まれる媒体の測定に適しています。また、測定可能なダイナミックレンジ(濃度領域)が広く、PCB分析に適しています。

13成分計算法

PCBには209種の化合物が存在します。規制濃度は209種すべての化合物の総和濃度となります。したがって、正確なPCBの 分析では209種全てを個別に測定・同定・定量し、積算しなければならず手間と時間、さらに同定に関する経験と高度な技術が必要でした。一方、商品PCBは主に4製品に分類され、これらの製品中の209 種の組成は、各々において一定です。この特徴を利用し、209 成分のうち3~7塩化物の13成分のみの濃度から全PCB濃度を 数学的手法により計算する方法を開発しました。13成分のみに対応した前処理、測定を行えばよいため、手間と時間を大きく削減できます。